ヘッテルとフエーテル
なぜ人は、すぐに信じてしまうのだろう?
不安なことが大嫌いで、いつも不安をなくそうと考えている妹・ヘッテル。
お金が大好きで、いつもお金をふやすことばかり考えている兄・フエーテル。
激動の時代を生きる2人を待ち受ける「末路」とは――。
お金、仕事、友人、自由、幸せ……とは?
騙しの罠、国家のウソ、経済・社会の構造を暴く衝撃の書!
豊富なイラストとともに、やさしく解説する。
- ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話/マネー・ヘッタ・チャン
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◆目次◆
第1話 ヘッテルとフエーテル
第2話 カネヘルンの笛吹き
第3話 ピノキオ銀行
第4話 アホスギンちゃん
第5話 ヤンデレラ
第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO
第7話 王様の金はロバの金
第8話 裸のフエーテル様
◆気になった言葉たち◆
1日5%ずつ200日ふやしたら、10万円が17億円とちょっとになります。
算数で考えればわかることを、実際に考えないあたりにフエーテルのダメさの原因があります。
5回連続で当たったはずの幸福達成教のメールが、なぜ当たらなくなってしまったのか、
わかったじゃろうか?
今回のだましのツボは、ふたつなんじゃ。
・予言はいつか必ず当たる
・全員が当たる必要がない
今回の悪さをした幸福達成教は、次頁の図のように、たくさんの人間にメールを送って、
当たった人間にだけ、またメールを送ったんじゃ。
つまり、フエーテルはツイてないことに、5回連続で当たりメールをもらってしまったんじゃ。
本当に100%儲かるなら、わざわざ赤の他人に教える人間などいない。
だれかに認められたいという自尊心、ほかの人よりも目立ちたいという気持ちは狙われる。
本当に優秀でチャンスをつかむ人は何回も転職しない
(優秀な人は高給で引き止められる、なぜ外資を転々とするんじゃ?)
投資で成功できるなら何冊も本を出さないし、やたら講演やらボランティアで世界中を回らない。
一流と言われる銀行や証券会社も、怪しい消費者金融も、どちらもぼったくり金融商品を扱っておる。
けれどずっと質が悪いのは、一流と言われる銀行や証券会社なんじゃ。
どうしてかというと、だまされた人が裁判に訴えると、悪いことをしている自覚がある怪しい消費者金融は、裁判に負けることを恐れて意外と返金に応じることもあるんじゃが、有名な銀行や証券会社は、返金するなんてとんでもないと考えて、裁判に応じてくるんじゃよ。
しかも、なまじお金を持っているものじゃから、有名な弁護士を雇って、
徹底的にそれこそ最高裁まで争ってくるんじゃ。
最初に小さく儲けさせて、最後に大きくだます。
「ヘッテル、いいかい。ホワイトバットのお金は、貧しい人たちには1円も届かないんだ。
売っている人たちは、ただ貧しい人たちの存在を知らせることだけを目的にしてるんだから」
ホワイトバット300円の内訳
制作費:30% 流通費:40% 広報費:20% 活動費:10%
今回は、ホワイトバットで儲けさしてもらったワイ。
人が逆らいづらいものを利用してお金をくすねるのは、むかーしからあるだましのテクニックなんじゃよ。最近だと、「死ぬ死ぬサギ」といって、「だれだれちゃんの病気を治すには、何億円とかかるから寄付をお願いしたい」という奴らがいたんじゃが、じつはそんな子はいなかったということもあったんじゃ。
ボランティアで借金整理をしてくれる弁護士は、電車の中に広告なんか出さない、というか出せない。
無料で相談に乗るふりをすれば、詐欺のカモが手に入る。